
一番好きなジャズアルバム - 冷たくてひたすら美しいまさにジャケそのままの名盤全曲好きだけど特に5曲目が素晴らしい。ギターの音色がたまらんこのジャケにピンときたら買って損はありません!!
デュオの傑作 これにあり - ピアノとギターのデュエットというのは珍しい取り合わせです。それがビル・エヴァンスとジム・ホールという素晴らしいジャズ・ミュージシャンによる貴重な演奏ですから、悪いはずがありません。名盤の誉れが高く、今でも多くのジャズ愛好家に愛されているのは、その密度の濃い音楽の対話にあるからでしょう。ピアノとギターがまるでお互いの気持ちを探るかのようにテーマを投げかけ、それに対しての応答がまた次のフレーズへと伝播していく様が目の前に浮かぶようです。実際、通常のピアノ・トリオとは違い、ベースもドラムスもいません。つまりリズム楽器が無いので、エヴァンスもジム・ホールも和声を展開させながら、一方でリズムを刻み、メロディを発展させながら、テンポの変化をつけるという試みで音楽に大きな変化を齎しています。この二人が天才たる所以は、音の足し算ではなく、引き算で勝負をしているところです。ともすれば饒舌な演奏になるところを必要な音しか使わずに最大の演奏効果をもたらす曲に仕上げている訳で、一期一会のスリリングさと楽しさの両方を感じさせてくれます。冒頭の「My Funny Valentine」での緊張感溢れる掛け合いの妙も忘れられない演奏です。疾走感と応答の妙は天才同士の会話と受け取っています。一番好きなのは、「Skating In Central Park」です。力を抜いて、心の底からこのデュオの時間を慈しんでいるような雰囲気が漂ってきます。ジム・ホールが途中、単音でピアノに合わせている箇所なんかは、あまりの心地よさにため息がでるくらい官能的でもあります。ワルツのテンポの心地よさと愛らしさは格別ですし、多くの人に聞いてほしい演奏です。何十回繰り返し聴いたのか分かりませんが、全く飽きることなく聞ける音楽はそうはありません。質の高さは一聴すれば明白ですから。
さあ漂おう - Bill EvansとJim Hallという繊細すぎる二人の天才が残した美しい一枚。ピアノとギターが交錯しながら陶然としたリズムを紡ぎあげる「My Funny Valentine」艶然としたギターの音色にうっとりする「I Hear a Rhapsody」悄然とした雰囲気にラストのギターとピアノの交互のフレージングが美しい「Dream Gypsy」静から徐々に動へ・・・、そして忽然と広い空間を創りだすJim Hall作の傑作「Romain」緩慢な時間の流れで、まるで自分が悠然と踊っているような感覚にとらわれるジャズというよりクラシックみたいな華麗な響きが特徴的な「Skating In Central Park」一番地味ながら、どこか秋の匂いを漂わせていて、聞けば聴くほど愁然とした味がでてくる「Darn That Dream」眼をつぶって聴けば、蒼然とした夜空が瞼の裏に浮かんでくる「Stairway To The Stars」昂然としたリズムと、水のように軟らかい浩然としたメロディが入り混じって、どこか甘酸っぱいような懐かしいような感慨にふけれる「I m Getting Sentimental Over You」と、本当に、一曲、一曲が素晴らしく質の高い曲ばかり。僕としては秋とか、冬に聴くと、あまりに繊細な音な為、往々にして感傷的になりすぎて憂鬱に陥りやすいので、真夏の暑い一日の終わりの深夜に酒を片手に涼みながら聞くのが最高かな。さあ君も、ジャケットの女性みたいに「浮」いて「遊」ぶ「感」じを体験しよう。。。。。。
スコット・ラファロ死後のインタープレイの方向性 - ビル・エヴァンスとジム・ホールによるピアノとギターのデュオ作品。1962年4月24日と5月14日の2回に渡るセッションの模様が録音されている。スコット・ラファロの突然の死に対する悲しみ、築きあげてきたインタープレイの更なる発展への模索・苦闘ぶりが滲み出ている。刹那的で儚くも美しい旋律の数々は、その後の更なる悲劇的結末への序章に過ぎない。1961年7月6日、スコット・ラファロが交通事故で他界する。ビル・エヴァンスの目指すインタープレイを支えていた支柱が失われた瞬間だった。音楽的対話というアプローチ。それを具現したビル・エヴァンス・トリオはたった4枚のアルバムを残して終焉を余儀なくされたのだ。本作は当時エラ・フィッツジェラルドのバックバンドとして活躍していたジム・ホールとのデュオ作品で、ピアノとギターによるインタープレイを聴く事が出来る。デュオのため一方が主旋律を弾けば、自然と他方はバッキングプレイになる。ある意味最も簡素化された形態であり、インタープレイの原風景といえるのかもしらない。しかし、たった2人であっても音の幅に狭さを感じる事はない。両者の掛け合いの下に次々と展開していく楽曲は失ったベーシストのものとはまた異なる世界観を創造している。ビル・エヴァンスの最高傑作といったらスコット・ラファロとのリヴァーサイド4部作であろうし、ジム・ホールの最高傑作はアランフェス協奏曲かもしらない。でも、本作の妖しくも美しい様はなんたることだろうか。敢えて私は「Dream Gypsy」と「Romain」を推したい。
ビル・エヴァンスの付けるタイトルはいつも暗示的 - 1962年4月24日と5月14日録音。水に浮かぶ女性のジャケット。アルバム・タイトルは『Undercurrent(底流)』。ビル・エヴァンスの付けるタイトルはいつも暗示的だ。ジャケット裏には神経質そうな2人の姿がコカ・コーラの空瓶とともに写っている。トリオのビル・エヴァンスがインター・プレイならこの演奏は静かな静かな一騎打ちだ。どちらもひかない一騎打ち。ムーディにBGMを演奏する気なんて毛頭無い。1961年7月6日に25歳の若さでラファロを交通事故で失なってからビル・エヴァンスは模索の中にいたのだろう。その模索の中の演奏が素晴らしい。この演奏は言ってみれば聴く者を映す鏡のような演奏だと思う。人によってはリラックスして聴こえる。僕には底流に流されながら揺れる水を通して世界を観ているビル・エヴァンスの苦悩を感じるのだがいかがだろう。